2年7カ月 「風評被害」続いています(橋爪)

 来月初め、30代の長男が結婚します。いろいろな事情を乗り越え、長い交際の末、喜びの日を迎えようとしています。父親としても、素直に喜びたいと思っています。ささやかなセレモニーを計画し、お互いの親戚を招き、門出を披露したいと考えていたようです。

 遠方の親戚たちにも伝わりました。みなに喜んででもらい、幸せな息子たちだと思いきや、東京以西に暮らしている縁者たちから、顔を合わせ祝福したいのだが、福島にはたして行ってよいものかどうか心配だ、という声が上がりました。

 職場の、あるいは近所の人たちが心配するというわけです。汚染水の問題、作業員の被ばくなど、ネガティブな情報は相当強烈に伝わっているようなのです。当日の前後、宿泊なども用意し、紅葉観賞などにも誘っていたのですが、出席はするものの、用事のある方が多いようで、ゆっくり滞在できる人はいないようです。東北に住む人たちで、思う存分祝おうということになりました。

 2年7カ月たった今でも、風評被害は増すばかりで、一向に改善していっていないようです。農作物、水産物も地元でしっかり消費するしかないのでしょうね。やがてあの時と同じ雪の降る季節が来ます。復興を目指す日がまだまだ続きます。風評被害が一刻も早く納まることを期待したいものです。

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